ロッシーニ 「オリー伯爵」 MET 2011

  • 2020.02.29 Saturday
  • 18:25

今日は四年に一度のロッシーニの誕生日です。そこで、「オリー伯爵」を映像で鑑賞しました。バートレット・シャーの演出、マウリツィオ・ベニーニ指揮メトロポリタン歌劇場による演奏、2011年4月9日の収録です。

 

さて、2006年12月の「魔笛」から始まったMETライブビューイング、既に14シーズン目に入っており、のべ130以上のオペラが上映されています。そのすべてを観ているわけではないのですが、これまで私が鑑賞した中でのベストは、「ロベルト・デヴリュー」です。

 

ドニゼッティ 「ロベルト・デヴリュー」 MET 2016

 

このベストを「悲劇作品のベストライブビューイング」とすれば、喜劇のベストライブビューイングは「オリー伯爵」と思います。

 

ともに劇中劇という舞台設定、指揮者がベニーニという共通点はありますが、このふたつの趣はだいぶ異なります。「ロベルト・デヴリュー」は、ステージ上で劇中劇を完結させていました。時として合唱団を観客に見立てていることがその好例と思います。(独唱者のカーテンコールも、舞台上の合唱団=観客に先に答礼してから客席に応えるという徹底ぶりでした。)

 

「オリー伯爵」ではそこまでのこだわりはありません。狂言まわし的な役柄はいますが、あくまでも客席に対しての劇中劇としていました。(この狂言回し、同じくシャー演出の「セビリアの理髪師」にも登場していたと記憶しています。)

 

独唱陣も素晴らしい歌手が揃っています。題名役にフローレス、アデルにダムラウ、イゾリエにディドナート、そして養育係にペルトゥージ。ベニーニの指揮は肩肘を張ることなく流麗な線を描きますが、決してムーディーになることはありません。素晴らしい職人系の指揮者と思います。(独墺系でいえば、往年のホルスト・シュタインのようなタイプとなるのでしょうか。)

 

シャー・トリオ(勝手に命名しましたが、バートレット・シャーの演出、マイケル・ヤーガンの舞台設定、キャサリン・ズーバーの衣裳)ならではのポップでカラフルな舞台は、この喜劇を夢のような愉しさまで昇華しています。第2幕では思い切った演出もありました。アデルはオリー伯爵に気があるのではないかと思わせるようなこともあるのです。(これは、幕間のインタービューにてダムラウが述べていたことに当てはまるでしょう。)

 

最近は「オリー伯爵」の映像もいくつか観ることができるようになりました。ロッシーニ最後の素晴らしい喜劇を愉しむことができることはこの上ない幸いですが、スタンダードの中のスタンダードにしてベストとなると躊躇することなくこのMETライブビューイングをとることでしょう。

 

 

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